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Indi-visual wellness あなた自身がデザインするウェルネスライフを

INTERVIEW Vol.4 中川 綾さん Aya Nakagawa LODON, UK

F organicsが目指す「自分らしいウェルネスな生活」のため、国内外で活躍する女性たちに日々の生活や美しさを保つための考えをインタビューする「Indi-visual wellness」。
今回は、ロンドンでファッションブランド「Colenimo(コレニモ)」を手がけるデザイナーの中川綾さんを訪ねました。そのアトリエがあるのは、イーストロンドンのショーディッチ。流行の発信地として知られるレッドチャーチ・ストリートに近くも、そこを知らなければ通り過ぎてしまいそうな集合住宅裏にある長屋の一角です。実はこの長屋、デザイナーやアーティストたちのスタジオなどが並ぶクリエイティブな建物。この場所で中川さんは、毎週日曜に自らの洋服を販売しています。

なぜロンドンを選んだのでしょうか。 子どもの頃からロンドンに憧れがあって、学生の時には28歳になったらロンドンで2年を過ごそうと心に決めていたんです。ファッションを学んだあとにアパレルメーカーでデザイナーとして勤務しながら貯金をして、予定より遅くはなったものの29歳で実行に移しました。当初は学生ビザを取得して語学学校に通っていましたが、そのうち何も生み出していない時間に不安を感じるようになったんです。そこで仕事を体験できるプログラムを取得してテキスタイルスタジオに足を運びました。生地にハサミを入れた時、やはり私は服を作ることが好きだと強く思ったんです。

その後、ロンドンではどのような生活を送ったのですか。

1年間なにもしなかったことがリフレッシュにつながって、新しい気持ちで仕事を続けたいと思うようになりました。その後、日本企業の仕事をロンドンで続けることに。よく知られる英国製のファブリックを使ったアイテムのデザインなどをしていましたが、結婚を機にフリーランスになって、2007年に「Colenimo」を立ち上げて自宅のミシンで縫うようになりました。その後、息子が歩き始めたタイミングで針仕事は危ないので仕事場を分けることに。そして同時に自分ですべてを縫うのではなく、ロンドン北部の工場に製造を依頼するようになりました。自分で縫うだけではなく、工場との仕事で世界観を広げていきたかったんです。

素敵なアトリエですが、ここはどのような場所ですか?

私は小さな店だから、この街だからできることを続けていきたいんです。たとえばヨーロッパでもともと藍染に使われていたウォード(アブラナ科の植物)を使ってインディゴに染めていますが、これはイギリス東部のノーフォークでわずかに作られている顔料。「Colenimo」のデビューコレクションでも、70年代にバーバリーのコートで使われていた撥水加工のヴィンテージ生地を使いました。これは生地を探して通いつめたヴィンテージショップのオーナーさんが、特別に店の奥から出してきてくれたもの。他にも日本ではほとんど目にすることのできないメタル糸で織った布やアイリッシュリネン、メンズ用のスーツ生地のデッドストックでドレスを仕立てたりと、ロンドンだからできるクリエーションを楽しんでいます。希少な素材だから枚数も限られ、取り扱い店も限られますが、それでいいと思うんです。

ユニークなブランド名です。その由来を教えてください。

ブランド名には「これにも足していく」という意味を込めています。テーマとして掲げるのは「My mum’s closet」。いつか母のクローゼットから娘が「コレニモ」の服を抜き出し、それを着て褒められたときに「母のものなの」と誇らしげに答えられるようなものにしたいんです。タイムレスでエレガンス、そしてクオリティの高いものを目指しています。いまは、日曜になるとアトリエを開けてお客さんが訪ねてきます。そこで話とともに服を試していく。こうしていくうちに、半年ごとに変わっていくファッションのペースについていけなくなりました。古いデザインといまのデザインが混じり合って作られる世界観。流行で動かず、古くならないデザインがいいものだと思うようになりました。

中川さんにとってロンドンはどのような街ですか。

ロンドンはどこか人との距離が近いのかもしれません。なにか面白いと思うと聞かずにはいられないのか、たとえば道ですれ違う人に「それはどこで買ったの?」と聞かれることも。日本ではジェントルマンの国として知られていますが、私はジェントルマンとはクールというよりもフレンドリーであるように感じます。そして彼らは人と違う行動に価値を見出すように感じます。私も東京にいたら「コレニモ」をやっていないかも。これはこうじゃないといけないという定義を作らない。郵便物は届かないし、電車も遅れる。けれど私たちはロボットじゃないし、どれも人がやっていることなので仕方ないこともありますよね。常識という言葉で片付けられるのは好きではないし、日本で暮らしているときにモヤっととしていたものがこちらにきてクリアになりました。雨が続いて洗濯物が乾かない日もある。もちろん困るけど、それさえも愛おしいんです。

美しさを保つためになにかしていることはありますか。

私はヨガにも行かないし、オーガニックに積極的でもありません。そういうことに囚われて時間をコントロールされるのは、かえって不健康な感じがしてしまうんです。大切にしたいのは、タイムレスであり、シンプルであること。もちろんこれまでにいろいろな失敗があったし、ミスや気づきもあっていまがあるように思います。それは洋服もコスメも同じ。若い時はいろいろなことに興味があって、20代のころは挑戦を続けました。30代になって一歩ずつ進むことを覚えて、40代になったいまは一本の道にたどり着いたように感じます。そのうえで、いまは好きなことを全部やってみるんです。ミニマリストだとつまらないし、働く時間って一生のうちごくわずかじゃないですか。

「タイムレスにシンプルに」。その彼女の思考自体がウェルネスを生み出しているのでしょう。そして時の流れとともに変化する自分自身にも正直に。シンプルになった今だからこそ、好きなことを全部やる。そんな彼女の今後がとても楽しみです。

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